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歯周病の回復 広島歯周治療
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今回は歯周病で骨が溶けてしまった方の歯周組織再生の治療です。この治療によって歯周ポケットを浅くしていきます
上記のことから当院では歯を保存するために、歯周病がありオペ適応症例と判断したら歯周外科を強くお勧めさせていただいています。

この症例は下の奥歯の歯周病です。ポケットが6遠心が5mm、7近心が7mmありました。67間が水平的吸収を起こしておりさらに7近心は垂直性欠損の2・3壁混合病変です。
まずは歯周基本治療で歯茎を切らずに歯の表面の歯石の除去です。この治療段階は患者さんの歯を磨く意識の向上や、歯ブラシの使用方法の習得など、ご自身の歯を守るための基礎となるとても大事なパートです。

上のようにある程度歯石が除去できましたら、歯周外科の開始です。

これは外科時の動画ですが、丁寧に歯肉を切除後剥離していきます。
よく患者さんに「歯周外科したら痛いのでしょうか?」と聞かれることがあります。当院の外科をやったことのある患者さんの経験からするとほとんど痛みはないそうです。あってもその日の夜に少し「いたんだかな?」程度で、痛み止め1錠くらいしか飲まなかったという方がほとんどです。
年間かなりの数の歯周外科を行なっていますので、不安な方はぜひご相談ください。

話は戻って歯肉の剥離後の動画です、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用して歯石や不良肉芽を取り切ります。ここで強拡大で取り残しがないかを確認することが非常に大事です。歯周外科にはマイクロスコープや、歯科用ルーペは必須と考えています。

今回は保険診療での治療をご希望でしたので、骨補填材など使わず、リグロスという保険で使用できる歯周組織再生の材料のみを使用しています。→https://regroth.jp/check.php?uri=

少し専門的な話になりますが、この薬剤はPDLSCsの増殖・分化が特徴的ですので残存する歯根膜を意識してオペすることが大事だと考えています。そのため根面処理をしっかりと行い歯根膜の位置を精査して適応することでリグロスの効果を最大限にいかすことができるのではないかと思います。
下に貼り付けてあるのは、2023年にでた歯周病学会の再生療法のガイドラインです。リンクを貼っておきましたので興味のある先生は一読してみてください。

オペ後はしっかりと歯肉を閉じて終了です。
あとはオペ後の注意点を守りながら、しっかりと定期的なメンテナンスを行い1年ほど待ちます

上はオペ後10ヶ月後のレントゲン写真です。

オペ前と比較するとわかるように骨様組織の添加を認めることができます。歯周ポケットは2mmと正常な歯周組織にまで回復しました。オペ前の治療後予測は7近心の垂直生骨欠損(2mm程度)が治癒すれば成功と言えるものでしたが、水平性の骨欠損まで治癒するという予想外に良い結果が得られました。
この結果は当院の衛生士の指導、患者さんの治療に対する協力があってこそではありますが、リグロスの効果もすごいものがあると思います。
当院では自費での歯周病治療は確実性を求めるため、エムドゲインや骨補填剤を使用しますが、保険診療で使う材料でもここまで治癒するのは患者さんにとってはメリットが大きいのではないでしょうか。
この様に歯周病によって溶けてしまった歯周組織は早期に治療介入し適切な処置を行うことで回復することができるのです。歯周病でお悩みの方がおられたらご相談ください。